サイロ塗装での30％塗料削減：Oltrogge社、Awila Anlagenbau社の静電塗装

2022年5月ドイツ、ビーレフェルト
大きな部品や角度のついた部品を塗装する際、均一な膜厚に仕上げることに苦労することが多々ありました。これは動物飼料や穀物、バイオマスペレット用のサイロといった工業用大型プラントでは特に当てはまります。Awila Anlagenbau社では長年のパートナーであるOltrogge社により静電塗装システムを導入しました。静電塗装によりどのコンポーネントでも均一な膜厚は実現され、さらに塗料とコストの削減にも成功しました。

顧客の特定の要件を満たすオーダーメイドのソリューション

多くの工業部門では、粉末状もしくは嵩張った形状で輸送、計量、保管しなければならない予備、中間、最終製品があります。食料品・飼料、着色顔料、医薬品、セメント、石炭などに当てはまります。適切なサイズのサイロはこれらの製品を保管するのに理想的です。Awila Anlagenbauは100年以上、57ヵ国にてこういうプラントを計画、建設、組立ています。自身の飼料、プラスチック、食料品業界の顧客のために、完成品もしくはリクエストに応じて組み立てる小型から大型のモジュール式の飼料プラントと穀物処理プラントを実現します。顧客の希望と地域の条件に合わせ、同社は包括的なソリューションと個別にコンポーネントを作成します。

Awilの製造部門長のTomas Schulze氏は言います、「我々の主な目標は顧客のビジネス成功を増やすことです。顧客が貴重な原材料から高品質の製品を製造するうえで役立つ革新的なソリューションを見つけることを常に念頭に置いています。」たとえば、従業員は、生製品の搬送、洗浄、選別、粉砕、混合、投与、衛生、乾燥、成形などに関連する機械および熱加工に関する深いノウハウを持っています。

エアレスから静電塗装へ

信頼できるテクノロジーパートナーとしてAwilaは幅広い産業向けにサイロやプラント、個別のコンポーネントを開発、構築しています。従業員にとって特別な課題は印象的な形をしたプラントでの塗装です。Awilaは試行錯誤の後、今までこの作業にエアレス技術を用いてきました。このエアレス塗装では、塗料は高圧ポンプを使ってホースを通じてガンに供給されます。高圧により塗料は非常に細かく霧化し、効率的に表面に塗布されます。

長い間パートナーとして取引のあるOltroggeの製品デモンストレーションにて、Awilaは別の塗装技術を知ることになります。OltroggeのエリアマネージャーMarco Dahlkötter氏は言います、「製品デモンストレーションにてAwilaに静電塗装に興味を持ってもらい、数日間このシステムを提供しました。これにより両方の塗装技術を実際にテスト、そして比較してもらいました。」現場でのテストはAwilaを説得するのに十分で、このシステムを購入してもらい、数日後には現場で使用が始まりました。

ワグナーパートナーのOltrogge社による高性能製品の提供

静電塗装にはAwilaはワグナーのパートナーであるOltroggeからシステム提供を受けています。最新型の静電塗装手吹きガンとそれに対応するコントロールユニットです。
GM5000マニュアルガンは、堅牢性と利便性、人間工学に基づいた操作性に加え、ソフトで均一なスプレージェットを可能にし、高品質な仕上がりと高い塗装効率性を実現します。Oltroggeの塗装エンジニアReiner Feldkamp氏はこう説明します。「高性能コントロールユニットのおかげで、塗装プロセスの全数値をリアルタイムで操作が可能です。これはつまり、どの条件下においてもガンはパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。」例えば、塗料の特性や周囲や被塗物の条件等に合わせて電圧・電流を調整することは必要不可欠です。コントロールユニットもまた静電塗装における最大限の安全性を確保し、ガンの接地を監視します。ガンの接地が中断されると、高電圧が自動的にオフになります。

静電塗装: より効率的で、サステナブルで、高い費用対効果

エアレス塗装から静電塗装への切り替えはAwilaに成果をもたらしました。Tomas Schulze氏は語ります。「特に大きい被塗物の場合、塗膜は完璧であることがわかります。新しいテクノロジーのおかげで、常に同じ厚みで塗装されます。小さい、もしくはシャープな部分の塗装では、従来の塗装方法と比較して30~50%塗料を節約できています。」このプロセスでは、たとえば、塗料、被塗物の形状、および設定されたパラメーターに応じて、帯電した塗料の液滴が接地された被塗物に引き付けられるため、飛散が大幅に減少し、塗装効率が向上し、サステナブルで、塗料の高い費用対効果が保証されます。塗料節約、廃棄コストの削減、VOC排出量の削減によりシステムの投資コストの回収に繋がり、この静電塗装への投資は間違いなく正しい判断であったと言えます。

Source & pictures: Oltrogge GmbH & Co. KG

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